作業療法とアートとやりたいこと
作業療法士の金丸です。先日、学会発表のため大阪に行きました。
宿は友人が理事をしている西成にあるアートNPO法人のゲストルームです。 西成では多くの電動車いすで移動している人を目にしました。朝でも夕方でも。周囲には大きな病院もなく、通院のためという感じでもありません。立ち飲み屋にて車いすで飲んでいる人もいました。
車いすを利用している人たちもやりたいこと、やらなくてはいけないことを街中でできています。
西成はアーケードのある商店街が多く、車も通らず安心して車いすで移動できます。このような環境も大きいと感じました。
前回のブログにも書きましたが、リハ開始時に「やりたいこと」を聞かれた時にすっと言葉にできる人は多くありません。障がいの有無にかかわらず、言葉にすることが難しい人は多いような気がします。それはこどもの頃から「やりたい事」よりも「正しい事」を中心に考えたり、世の中の規範に知らないうちに縛られている事が多いからかもしれません。
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作業療法では本人が「やりたい事」「期待されている事」「やらなくてはいけない事」などができるように一緒に考えて、実行にうつしていきます。 こどもを対象にした作業療法では、その子の「好きな事」をいつも探っています。難しい子もいますが、感覚の凸凹なども考えて提供しています。「好きな事」が行動の原動力になるからです。
こどもたちの「好きな事」は何かしらの表現を伴っていて、時にはそれをアート活動につなげています。「はさみで切る感覚が好き」な子には様々な素材を提供し、「切る」ことからアート作品ができていく事もあります。
つくった作品は次の日に学校にもっていき、皆にみてもらいます。その子の素敵な場面を学校でも共有できると、作業療法士としてもとても嬉しい一場面になります。 アートと作業療法の親和性が高いのは、「正解」がなく、好きなことの延長にアートがあり、それが、「参加」につながるためだと考えています。
アート活動をしたいけど、できない...と思っている方、ぜひ一度ご相談ください!
訪問リハビリテーション部 作業療法士 金丸