"したい作業のお手伝い"をする「作業療法」
前回のブログで、リハビリテーションは「人間らしく生きる権利の回復」や「自分らしく生きること」が重要で、そのために行われるすべての活動がリハビリテーションとありました。
今回はリハビリテーションのひとつである「作業療法」が、訪問リハビリテーション(以下リハ)ではどのように行われているかをご紹介させていただきます!
病気や怪我など身体が動きにくくなった中で、身体を動かすのはしんどい...。でも動かないと体力が落ちていく、けれど動きにくいし、動きたくない...。そんな中だからこそ
「好きなことはできる」
身体がちょっと痛くても好きな〇〇ならできるし、あっという間に時間が過ぎてしまった! という経験はありませんか?
作業療法ではこんなことをしています。
「生け花」
寝ている時間が多く、動きにくい手も使わなくなっていたAさん。お花が大好きな方で、ご家族は部屋にいつもお花を飾っていました。
昔は生け花をやっていましたが、今は「いーわよ」とおこなっていません。
作業療法士はご家族と相談し、リハで生け花を行う事を提案しました。Aさんは「やらない」とおっしゃっていましたが、ひとまずお花を持ってご自宅に伺いました。
Aさんは最初、「あなた(作業療法士)がやりなさいよ」と言いながら、お花をみていました。しかし、いつしか自然にお花を手に取り、ハサミで切り始めたのです。使いにくい手の代わりは、作業療法士がそっとお手伝いします。
「生け花」はお花の取り合わせや奥行き、構造などなど多くの事を考えながら行われます。ハサミを使い、切り、剣山に刺す。道具を使い、お花の硬さに合わせた力の調整も必要になります。またお花からは匂いや季節感など様々な情報があり、会話も生まれます。Aさんの娘さんは「こんな切り方私にはできない!すごい!!」とAさんを絶賛されていました。
作業療法士は、環境や使いやすい道具の提案などを含めて、その人がしたい作業のお手伝いをしています。したいけれども諦めていたことなどを、一緒に考えていく職種になります。
これからも、少しずつ実際に行っている訪問での作業療法をご紹介していきますね。
ゆみのハートクリニック 作業療法士 金丸