第6話:事前準備~訪問診療コーディネーターの日々をお伝えします~
今回は、日頃わたしたちが訪問診療の前日に時間を費やし、準備に頭を使っていることについてお伝えしたいと思います。
先ず、事前準備で大切な事は以下の3つになります。
①訪問先への最短ルートの時間調整と駐車場所等の確認
②患者さんの体調変化や検査結果の事前確認
③他職種や他施設からの申し送り事項の確認と当日使用する物品の確認
①訪問先への最短ルートの時間調整と駐車場所の確認
訪問診療の範囲は、当院からおおむね半径16km圏内としており、円滑な診療を行う為にも訪問ルートの調整が最も重要な準備になります。私たちにはいくつかルールがあり、それに従って道を選び訪問する順番と時間を決めています。天候・五十日・工事期間・取締り月間・イベント期間等は勿論のこと、患者さんやそのご家族または関係者(ケアマネ、ヘルパー、訪問看護師、等々)の状況などを考え、家の所在や玄関の場所、入室するための手順、駐車場の位置まで細かくチェックし、より最適な順番をシミュレーションしておくのです。もし、怠けてしまうと・・・道に迷って5分、駐車場探しで3分、家探しに2分など予想以上に時間がかかり、1時間以上のロスが生じる事もありえるのです。そのためにも『ルート組み』とよばれるこれらの作業は最も重要になります。
②患者さんの体調変化や検査結果の事前確認
患者さんやご家族の状態を事前にカルテチェックし、体調変化や前回検査の有無等を確認します。また、癌の方を訪問するのか、心不全の方なのか、認知症の程度はどうか?など、病状を可能な限り把握して訪問の準備につなげていきます。
③他職種や他施設からの申し送り事項の確認と当日使用する物品の確認
医療は患者・ご家族との信頼関係のうえに成り立ちますから、数多くの関係者の方々とチームになって情報共有を行います。患者さんを支えるために、申し送りはとても大切です。そして、医療器具や治療薬剤も決して忘れないように前日に確認しておきます。
時に『命』に直結することもありますから、わたしたち訪問診療コーディネーターは診療サポートのプロとして、今までお伝えしたように準備には時間をかけ、日々の積み重ねを大切にしています。
訪問診療コーディネーター