YUMINOのひと - 訪問看護師 髙取幸恵 -
当法人で活躍するスタッフの人となりや働き方にスポットライトをあてる「YUMINOのひと」。今回は、訪問看護部門の部長を務める髙取幸恵看護師にお話を伺いました!
-入職のきっかけを教えてください。
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以前は大学病院の病棟で働いていたのですが、疾患をかかえた方が何度も入院をされる様子を見て、家にいられる時間の方が少ないのではないかと感じていたんです。もっと地域や在宅でできることはないのかな? という思いが湧いていた頃、学会にてたまたま弓野理事長の講演を聞き、在宅医療に興味を持ちました。そこで転職活動をしようと思い、求人を探しつつ院内のソーシャルワーカーさんに「お勧めの在宅のクリニック、ありますか?」と聞いたところ、ゆみのハートクリニックがいいよと言われて。「あの、弓野先生のところか!」と自分の中でつながり、即応募しました(笑)。
訪問看護に配属されたのは、ちょうど私が入職した頃に法人で訪問看護ステーションを立ち上げる計画が進んでおり、オープニングスタッフとして声がかかったのがきっかけでした。
-未経験の訪問看護の分野に飛び込むことに対して、抵抗はなかったのでしょうか。
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かなりありましたよ!! 看護師として6年は働いたけど、在宅医療に関する知識も、循環器の経験も浅いし、何よりも一人で訪問に行けるのかな、という不安が大きかったですね。でも、現場を経験しながらあらゆることを学んで、成長したいと思い、飛び込むことを決めました。
-オープニングスタッフとして働いていた頃を振り返って、いかがですか。
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創立メンバー4人のうち、2人は訪問看護や循環器の経験がある方でした。2人から多くのことを教えていただきながら、これまで全く経験がなかったがん末期の患者さんのケアなど、さまざまな経験を現場で積みました。一日があっという間に過ぎていくなかで、キツいと思う時もありながら看護の知識が伸びていく実感があり、とても充実していました。
そのほかに、私たちの存在を地域に広めるため、連携会(落合会)に顔を出すなど、毎晩何かしらの勉強会に行き、その後の懇親会にも参加...という日々を過ごしていました。そういった場で関わったケアマネジャーさんから「またお願い」と言っていただけたときは、大きなやりがいを感じましたね。
-実際に訪問看護を経験したなかで、それまで抱いていたイメージとのギャップがあれば教えてください。
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病棟にいたころは、医療や看護の質は在宅より病院の方が当たり前に高いんじゃないかな? と思っていました。あとは、私が大学病院にいた頃は夜勤などもあり、多忙で、決められた業務をとにかくこなす日々を過ごしていたこともあって、病院で働き疲れて訪問看護に移る人も多いのかな、というイメージを持っていました。
でも、訪問看護師さんたちはみんな、驚くほどバリバリ仕事されていましたし、患者さんの「その人らしい生活」をサポートしたい、という思いをひしひしと感じました。私もそれを目指して転職したので、訪問看護を経験できてよかったと感じています。
大変な病気を抱えながらも自宅で過ごすことを叶えるには、訪問看護はとても大きな役割を持っています。だからこそ、より高い医療や看護の質が求められるのだともわかりました。クリニック併設のステーションで務めているからこそ、質を追求していきたいですね。
-とても充実した日々を過ごされているんですね。とはいえ、訪問看護において大変に感じていることはありませんか?
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患者さん宅には主に電動自転車で向かいます。冬の寒さは手袋やコートなどである程度防げますが、夏の暑さと日焼けはしんどいですね(笑)。患者さんの熱中症対策も含めて、お宅に上がったらエアコンをつけたり、水分補給を促したり(自分も一緒に)するよう心がけています。
未経験の頃に抱いていた「一人で回る不安」は、看護師でできる裁量が大きいことの裏返し。でも困ったときは法人内の看護師や医師、リハビリスタッフ、ソーシャルワーカーと相談しながら対応できますし、利用者さんのカルテを見られるのは、ゆみの訪看ならではの強み。クリニック併設でないところでは訪問看護指示書のみで、これまでの治療の経過もわからず、不安に感じることも多いかと思います。
↑スマホ操作可能な厚い手袋は必須。これがないと、冬を越せません(笑)。
-現在は訪問看護部門の部長としてお仕事をされていますが、ゆみの訪看にはどのような人が向いていると思いますか。
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まずは、医を通して、その人らしい人生をサポートするという法人理念に共感していただけたら嬉しいです。自分らしいLIFEを過ごす権利を全力でサポートするという思いを持ちながら、質の高い医療・看護を追求し、自分のスキルを伸ばして、専門性を高めたい人には最高の環境だと思います。ただ、私も入職時は手探りの日々でしたし、経験の有無が問われるわけではありません。今は20人以上の訪問看護師がいて、周りのサポートも手厚いですし、未経験でも3か月で独り立ちできるようにしています。1年後にはステーションの所長として活躍できるようになるぐらいの教育体制を整えているところです。「成長したい!」その想いがあれば、良い意味でYUMINOの組織へ巻き込まれて、想像以上の自分に出逢えるかなと思います。
ちなみに、私たちに「目標」はありますが「ノルマ」はありません。ノルマ→インセンティブは個人プレイになりがち。目の前の利用者さんをしっかりみるために、ルートや件数はこちらで管理します。法人内のクリニックから新規の利用者さんを紹介してもらえることが多いこともあり、他事業所へ「営業」というよりはいつもお世話になっている皆様へ「挨拶」へ行くという程度です。
「地域の中で一緒に生きている」という感覚で働けたら良いですよね。
また、スタッフの中にはオンコールに抵抗感がない人もいれば、しっかりオンとオフを分けたい人もいたり、子育て中のママさんは週1回だけでも働きたい、など各々の考え方が尊重されています。患者さんをみることに集中しながら、自分らしく働ける環境が整っているのも、ゆみの訪看の強みですね。
-最後に、今後の訪問看護部門の展望を教えてください。
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2025年問題、2030年問題と向き合ううえで、在宅医療を求める声はより高まりますし、そこに訪問看護は絶対に必要です。クリニックが母体にあって、病院と同じようなサービスを提供できるのは私たちの強みですし、これが多くの地域に広がれば、医療の質の底上げにつながります。循環器に強い訪問看護は特に需要が高いので、全国に持続可能な訪看ステーションを作っていくことが目標です。