在宅療養支援室便りvol.12『事例検討会』
医療や介護が身近な方へ、ソーシャルワーカーの目線をお届けします。
在宅療養支援室では月1回事例検討会を行っています。
コロナ禍の対応の一環でリモートツールの活用が進み、これまで東京のクリニック内で対面で行っていたものを、東京・大阪2つのクリニックに在籍するソーシャルワーカー全員が参加できるオンラインに切り替えました。事例提供およびファシリテーションはソーシャルワーカー同士でローテーションしています。
過去に検討されたテーマの一部をご紹介しますと、
- 患者さんやご家族の病気に対する気持ちの寄り添い方について
- 認知症を患った患者さんの生活をサポートするための意思決定支援について
- 患者さんの生活をサポートしていくために、訪問診療や介護サービスをどうご提案していくか
というような、ソーシャルワーカーが関わっている患者さんの生活上の困りごとに対して、どうお手伝いができるかを検討しています。
検討会の流れは、福山和女先生が考案している「FKモデル」を参考に行っています。
①事例提示
②追加情報の要請
③問題点の列挙
④プラス面の列挙
⑤フィードバック
ここで特に大切にしているポイントは④プラス面の列挙です。
生活上の困りごとが多く、関係者が悩んでしまう状況でも必ず「強み」はあります。
「相談窓口が明確」
「一人だけだけど、心を許している方がいる」
「パワフルに動いてくれる関係者がいる」
「当院に相談をくれたから大丈夫!」という手前味噌のようなことも!
いろいろな目線で、角度や見方を変えれば、課題解決に役立つ思いもよらないような事柄が隠されていることもあります。「課題すべてを解決する」のではなく、共に課題に向き合い、相手が本来持っている能力を生かし、自立を促すことも私どもの役割の一つです。
私どももこのような事例検討を通じ、チームとなって研鑽に励み、皆さんの生活支援を続けていければと思っています。
在宅療養支援室 ソーシャルワーカー
西嶋/鈴木