理学療法士について

訪問リハビリテーション2019年09月09日

前回は訪問リハビリテーションの1日についてご紹介させて頂きました。

今回は、リハビリテーション専門職である理学療法士について紹介いたします。紹介にあたり、まずはリハビリテーションと理学療法についてまとめます。

  • リハビリテーションとは

「リハビリテーション」(Rehabilitation)は、re(再び、戻す)とhabilis(適した、ふさわしい)から成り立っています。つまり、単なる機能回復ではなく、

「人間らしく生きる権利の回復」「自分らしく生きること」

が重要で、そのために行われるすべての活動がリハビリテーションとなります。

リハビリテーション専門職には、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)があります。

  • 理学療法とは

理学療法とは、体の機能が低下した状態にある人に対し、基本的な動作能力の回復を主な目的として、運動に加え温熱や電気刺激などの物理的手段を用いて行われる治療法のことで、医師の指示のもとに理学療法士等が行う医療行為です。ここでいう「基本的な動作」とは、歩く、座る、立ち上がるなど、日常生活を行う上で基本となる動作を指します。

理学療法の対象となる可能性のある疾患には、

・脳血管・中枢神経疾患(脳卒中、脊髄損傷、小児発達障害など)

・運動器疾患(骨折や変形性関節症など)

・呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患、肺炎など)

・心大血管疾患(急性心筋梗塞、慢性心不全など)

・他、内科的疾患や廃用症候群、難病疾患、がん疾患など・・・

多岐にわたる疾患を対象としています。当院では、特に心疾患や呼吸器疾患など内部障害を抱える方が多く、身体状況を確認しながら、その方に合った動作方法や呼吸方法の獲得、動作時の負担を軽減させるために環境を整えるなどといったことも行います。

  • 理学療法士とは

理学療法士は、理学療法士及び作業療法士法で定められた国家資格の名称です。この法律で「理学療法士とは厚生労働大臣の免許を受けて理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に理学療法を行うことを業とする者をいう」と定義されています。

姿勢・動作の専門家であり、個人の身体機能や痛みの評価・分析をした上で、運動療法や物理療法により、基本動作能力の改善、正しい動きの学習と指導、痛みや麻痺の回復を図り、自立した日常生活を支援するリハビリテーションの専門職種です。理学療法士は主に病院、クリニック、介護保険関連施設等で働いています。中には専門性を生かし、プロスポーツのチームに属している理学療法士もいます。

リハビリ=マッサージと思われている方も多く、時々「マッサージの先生」なんていわれることもありますね。

理学療法の直接的な目的は運動機能の回復にありますが、目標はその先にある日常生活動作(ADL)の改善やQOL(生活の質)の向上にあります。病気、けが、加齢など何らかの原因で身体機能が低下し、基本的な動作が不自由になると、ひとりでトイレに行けなくなる、外出ができなくなるなど生活において不便が生じます。誰しもこれらの動作をひとの手を借りず、行いたいと思うことは自然なことであり、いつまでもその人らしい生活ができるようサポートすることが、我々理学療法士の大きな役割です。

病気、障害があっても住み慣れた街で、自分らしく暮らしたいというひとりひとりの思いを大切にしています。

 

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訪問リハビリテーション部

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