第15回高田馬場心不全チーム医療カンファレンス
2018年10月18日、第15回心不全チーム医療カンファレンスを開催いたしました。この会は、2012年にスタートし、多職種の医療関係者が集まり、活発なディスカッションを行っています。
第15回のテーマは「心不全を織る」で、日本医科大学 武蔵小杉病院 循環器内科部長の佐藤直樹先生に「心不全のむくみ―どう見つけてどう直す?―」といった題目でご講演いただきました。
心不全で入院した患者は、予後が不良です。心不全になる原因は様々なので検査をしてはっきりさせることが大切です。原因は様々でも起こる症状は大きく分けて ①息切れ②むくみ③だるさの3つということでした。
①息切れ心不全は、動いた時の息切れ、夜中に息苦しくて目が覚める(夜間発作性呼吸困難)、座っている方が呼吸が楽(起座呼吸)という点が特徴です。
②むくみ心不全は、足(弁慶の泣き所)・顔・おしり(お尻の真ん中の骨の所)・陰嚢のむくみが特徴です。むくむと体重が増えるので3日間(長くて1週間)で2kg以上増えたら危険信号です。
③だるさ心不全は、動きたくない、疲れる、食欲がない、元気がないが特徴です。このような症状に早く気付くことで重症化せず早く改善します。それは、自分自身じゃなくても、周りにいる家族や友達、介護者や支援している人、誰かが気付けば一歩となるというお話をしていただきました。
みんながいつもと違うなという変化、症状を知っておくことがとても大切で、それが心不全を悪くさせないことにつながるのだと改めて思いました。
2部の症例検討では、成人先天性心疾患の症例検討を行いました。
ここ数回は、緩和ケアやコミュニケーションについてなどを勉強してきましたが、久しぶりに心不全について勉強しました。ガイドラインも変わり、知識のブラッシュアップができとても学びの深まるカンファレンスとなりました。
次回は、2019年5月に開催予定です。
看護部 髙圓恵理
ー当院で地域医療実習を行っている研修医の先生より、感想をいただきましたー
在宅医療では患者の日々の生活や生きがいにも目を向けていくことが大切です。さまざまな職種の視点から沢山の意見を聞き、在宅医療における患者の生きがいの大切さを感じました。今回は在宅患者の中で重症例にあたる患者の検討をしましたが、実際の病態と目標にはギャップがありました。そのような場合でも小さな目標から少しずつできるようにしていくことが、病院ではなく在宅という生活の場で医療を受けることの意義の1つなのではないかと思いました。実際に在宅医療をみて、一人の患者の小さな目標を達成するにもさまざまな職種が関わっており、多職種連携の大切さを感じていましたが、今回の検討会でさらにそれを実感することができました。
東京女子医科大学病院 卒後臨床研修センター2年 松本有以