第12回心不全チーム医療カンファレンスを開催しました

2017年04月26日

4月20日、第12回目の開催となる「高田馬場心不全チーム医療カンファレンス 」を開催しました。この会は2012年からスタートし、多種職の医療関係者が集まって、毎回異なるテーマのもと、ひとつひとつの症例を検討しています。
この日は、都内だけでなく、大阪や福岡など遠方からも多くの先生がご参加くださいました。

第12回のテーマは、「癌から学ぶ症状緩和 -後編-」

当院の在宅医療患者さんの約50%が心不全患者さんです。心不全の症状緩和は適切で可能な限りの積極的な治療が症状緩和につながります。しかし、その治療が行われていても重症心不全には同時に緩和ケアが必要となってきます。
今回は、聖隷三方原病院、緩和支持治療科、森田達也先生に「-心不全の緩和ケアに役立つ「かも」しれない緩和ケアの知識-」というテーマでご登壇頂きました。

「呼吸困難に対するオピオイド」では、がんの場合のエビデンスの整理、実践、非がんの研究知見についてお話頂きました。呼吸困難は、原因の対応や看護ケアの大切さを改めて感じました。癌の痛みはオピオイドなどを使った分だけ、また効いている分だけ動けるようになりますが、呼吸困難に使用する場合は、痛みに対してと同じように効果がでるわけではなく、効かないからといって増やしてもゼロになるわけではない、動いたときに痛い骨転移の痛みと似ているということなど学びました。
「鎮静の最近の議論」については、歴史的経緯、古典的・最近の倫理の話、今後の展開の予想、在宅での鎮静についてお話頂きました。定義のおさらい、「鎮静」という段階をどの段階でいうのかは国により考え方が違います。日本では在宅で鎮静するか、しないかが話題になることも多いようです。
私たちは、適応を正しく判断できるスキルを身につける必要があります。患者や家族はどのような事を望んでいるのか、話せる時間が最期になるかもしれないこと、理解はしていていても、そこが大切にできていないと家族はとても強い悲しみを経験することとなります。これが正解ということもなく、その人にとっての最善はそれぞれにあるのが在宅の場での醍醐味です。想いを共有し、チームで話し合い、合意形成を行っていきたいです。
まだまだ、先生のお話を聞いていたいと思う有意義な60分でした。

第2部の症例検討では、拡張型心筋症、Stage D、終末期症状として、眠気、倦怠感、息苦しさ、身の置き所のなさが出ている症例について、「非薬物療法について、どんなことができるのか?」を、ポイントにディスカッションを行いました。詳細は議事録をご参照ください。

さまざまなフィールドで働いている多職種の意見を聞くのはいつもおもしろいです。

次回は、10月26日(木)テーマは「医療におけるコミュニケーション」。榊原記念病院院長磯部光章先生を講師にお迎えし、開催いたします。

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看護部
髙圓 恵理

第12回チーム医療カンファレンス議事録

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