急性心不全と慢性心不全の違いって?

ゆみのハートクリニック2024年10月08日

最近、著明な方が「心不全で亡くなった」ということを多く耳にします。
心不全は、日本で患者数が増加している重大な病態です。こちらの記事では「心不全」の症状や原因、「急性心不全」と「慢性心不全」の違い、そして心不全の予防について説明させていただきます。
 

〇心不全とは?

心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身の臓器に必要な血液を十分に送り出せない状態です。
心不全は単独の病気ではなく、心筋梗塞や弁膜症、高血圧など、さまざまな心臓疾患や生活習慣病が重なり合って引き起こされる「症候群」として理解することが重要です。

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〇急性心不全と慢性心不全

そして、心不全には急性と慢性があり、急性心不全は突然発症し、肺水腫や呼吸困難、失神といった重篤な症状を示します。急性心不全に至るまでに特別な前兆がない場合も多く、早急な対応が必要です。一方、慢性心不全は、長い時間をかけて進行し、安定期と悪化期を繰り返しながら日常生活に影響を及ぼします。慢性心不全も急性期への移行が起こることがあるため、日頃からの管理と早期発見が求められます。

 

〇心不全の予防

心不全の予防には、生活習慣の見直しが欠かせません。まず、高血圧の管理が最も重要であり、血圧が高いと心臓にかかる負担が増し、心不全を引き起こすリスクが高まります。
塩分の摂取を控え、適度な運動を取り入れることで血圧の安定が図れます。また、肥満や糖尿病の予防も心不全リスクの低減に寄与します。さらに、喫煙や過度な飲酒は血管や心臓に負担をかけるため、控えるべきです。
また、運動は、心不全の予防・進行抑制に有効です。特に推奨されるのは、速歩やインターバル歩行といった心拍数を上げる有酸素運動であり、これに筋力トレーニングを加えることで心臓と筋肉の双方が強化され、日常動作の安定性が増します。急激な運動は避け、徐々に心肺機能を高めるのが良いでしょう。
著名な方の訃報をきっかけに心不全の予防について考え、日頃から心臓をケアする重要性を再確認することも大切です。心不全は身近な病気であり、予防に努めることで大切な命を守る一助となります。


また、当法人では「心不全外来」と「心不全相談支援センター」を開設しています。

*「心不全外来」 
当法人は、在宅診療で年間1000例以上の多種多様な重度の心不全患者を管理しており、 
心不全のより早期からの予防が重要であると考え、外来診療での心不全医療にも力をいれています。 「自分は心不全かな?」、「いまの治療で良いのか?」、息切れや浮腫みで苦しい、など
心不全を疑う方からすでに他病院で心不全治療を行われている方まで、幅広く診療を行っています。
詳細:https://www.yumino-medical.com/yumino/2024/05/002357.html
 

*「心不全相談支援センター」
心不全に関することについて、心不全への豊富な経験と知識を持った多職種スタッフにご相談いただけます。こちらは患者さんやご家族だけではなく、医療や介護のスタッフの方もご利用いただけます。
ご相談など心不全相談支援センターHPの「相談・問い合わせフォーム」よりお気軽にお問い合わせください。
心不全相談支援センター:https://www.yumino-medical.com/support.html




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循環器予防医療部 部長

土肥 智貴

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