リハビリ専門職、作業療法について
前回は理学療法士について紹介させて頂きましたが、今回は同じくリハビリテーション専門職である作業療法士について紹介いたします。
- 作業療法とは?
2018年に改訂された作業療法士協会の定義では
「作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。」
とあります。もちろん、理学療法と同様に、医師の指示のもとに作業療法士が行う医療行為です。
- 作業とは何?
作業療法では食べたり、入浴したり、仕事をしたり、遊んだり、人の日常生活にかかわるすべての諸活動を作業と捉えます。そして作業には、それを行うのに必要な心身の活動が含まれます。
- 理学療法とどう違うの?
よく聞かれるのが「理学療法と作業療法は何が違うの?」という質問です。簡単に言うと、
『理学療法士は立ったり歩いたりといった基本的な動作を行い』、
『作業療法は着替えたり入浴したりといった日常生活や趣味など応用的な活動を行う』
と言えます。もっと厳密にいえば、先ほど説明したように、作業療法士は人が営む活動を作業と捉えるという所に大きな違いがあると言えると思います。その「活動=作業」はその人にとってどのような価値を持つのかを考え、その活動ができるために必要な心身機能、環境、方法、自助具、援助などを考えてアプローチしていきます。
そういった意味では、理学療法士を姿勢や動作の専門家とすれば、作業療法士は生きがい支援の専門家と言えます。
リハビリに携わるすべての職種は、その専門分野はありつつ、共通の目標としてその人らしい生活の実現、日常生活動作(ADL)の改善やQOL(生活の質)の向上を目指していきます。その人らしい生活とは何か。その人の生きがいとは何か。患者さんやご家族と関わる時間の中でそれを汲み取り、対話し、リハビリのゴールを一緒に考えるという姿勢を大切にしています。
訪問リハビリテーション部