第13回 高田馬場心不全チーム医療カンファレンス
2017年10月26日、第13回目となる「高田馬場心不全チーム医療カンファレンス 」を開催しました。この会は2012年からスタートし、多種職の医療関係者が集まり、活発なディスカッションを行っています。
第13回のテーマは「医療におけるコミュニケーション」。榊原記念病院 院長 磯部光章先生をお招きし、「思いを言えない患者にどう向き合うか」と題して、ご講演をいただきました。
まず始めに、用意された文章からイメージする絵を用紙に書いていきました。そして、それぞれの絵が紹介されましたが、同じ文章を見て書いた絵であるのに、1枚として同じものはありませんでした。例えば、教会の絵ひとつにしても、先がとがっていたり、鐘があったり、なかったりとそれぞれが思い描く教会となっていました。「受け取り方はみんな違う!」という事を理解してからのスタートでした。
先生には、慢性疾患患者の増加や情報化が進む中で、医療を取り巻く環境や本来存在する要因ついて、共感的対応、上手なコミュニケーションのためのステップなどたくさんのお話をいただきました。
いつも何気なく取っているコミュニケーションですが、信頼関係がなければ良好なコミュニケーションは取れません。医療者の視点はDisease(疾患)に向かい、集合名詞となりがちです。患者の思いはIllness(私の病い)に向かい、固有名詞です。その時点で違いが生まれます。その違いを埋めるのが、NBM(Narrative-Based Medicine)な視点でその人を知り、つらい気持ちを共感する事、尊重することになります。それは、EBM(Evidence-Based Medicine)を補完し、その人の人生にあった選択肢を考えることに繋がります。コミュニケーションの取り方ひとつ、少しの工夫で関係は変わります。自分のコミュニケーションを振り返り、今回学んだ内容を明日からの仕事に生かしていこうと再認識した講演でした。
第二部では、いつもは事例に対してディスカッションを行っていく形をとっていましたが、今回はグループワークを行いました。6人×9グループに分かれ、①どのようなときにコミュニケーションが難しいと感じるか、②それに対してどのように対応しているか、というテーマでディスカッションを行いました。職種や施設の垣根を超えたグループワークを行うことができ有意義な話し合いとなりました。詳細は議事録をご参照ください。磯部先生、ご参加くださった皆様ありがとうございました。
次回は、2018年4月19日(木)19:00~に開催予定です。
看護部 髙圓恵理